第13章 不安
近藤「お、おいトシ!」
気持ち悪い。か…
私は涙を流していた。
スッ
パシンっ!
『何よ!気持ち悪いって、変だって!こんな格好して何が悪いの!?あなたのために少しでも可愛くなろうとして何が悪いの!?最近は吉田、吉田って!話すことといえば仕事ばかり!ミツバ、ミツバって、ミツバと喋ってばっかじゃんか!ミツバがタイプならそれに合わせようとして何が悪いの!?こんなの似合わないのは私自身が一番わかってるよ!キャラじゃないのも一番わかってるよ!口は悪いし!女っぽくないし!何より真選組の隊長格やってるんだよ!女のくせに血で汚れてるんだよ!傷で汚れてるんだよ!汚いんだよ!それでも好きだって言ってくれたから!その分私があなたのタイプになろうとしてんじゃん!こんなの変だって、おかしいって言ってるんだったら最初っから恋人になんですんな!』
ダっ!
土方「おい待てっ!」
私は逃げた。そして近くの公園で止まった。夜になりかけた公園。子供も大人もいない。私一人だった。
『これは完全に嫌われたかもな』
目元が暑い。
『ううっ…ヒック…馬鹿だなぁ…勝手に嫉妬して…勝手に怒って…自爆してんじゃん…』
土方「ヨツバ!」
ハッ。
『ひ、土方さ…』
ギュッ
土方「俺のためにこんな格好してくれたなんだな。気づいてやれなくてワリィ。でもなんでそんな格好したんだ?俺はいつだってお前の…」
『不安。だった…』
土方「えっ?」
『いつも、ミツバとばっかり喋って、笑ってて、私と喋るときはいつも仕事ばかり。笑いかけてくれなかった。だから不安だった。』
土方「っ!!!」
『私は、自分に自身が無い。だから余計に心配になる。だから余計に怖くなる。わたしは、口も悪いし、なんの魅力もない。女の子っぽくない。ましてや真選組の隊長格で、元攘夷志士。私は血で汚れてる。傷だらけの体だし。それでも、好きだって言ってくれて嬉しかった。だ、だから、私よりも可愛くて、魅力があって、女の子らしい人が現れたら土方さんはすぐにその人を好きになっちゃう』
土方「そんなの!もしもの話…」
『ありえるよ!だって現にミツバと仲いいじゃん。初恋の相手なんでしょ。私とミツバが似ててそれで選んだの?だったら今すぐ切り捨ててよ。そしたら私は特別隊も抜ける。』