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瓜ふたつの人が同じ人に恋をした

第13章 不安


お登勢「ここに来たってことは、相談かい?」
『ふふっ。お登勢さんにはかないませんね。彼氏がひどいんですよ。私を指し置いて、他の女とでかけてるんですよ。私をなんだと思ってるんですかね。』

あ~。言ってて心が痛む。

『あ、あれ。涙が…なんででしょうね。涙流してもあの人が来てくれることはないのに。全く。困った人間ですよ。私は…』
お登勢「だったら。自分のしたいようにしてみな。」
『え?』

どういうこと?

お登勢「あの人に振り向いてもらいたいんなら、自分のしたいようにおしゃれしてみなって言ってんだ。あんたは別嬪さんなんだから何でも似合うよ。」
『はいっ!ありがとー!お登勢さん!今度お礼しますね!』

私は、走ってスナックお登勢を出た。そしてダッシュで屯所を目指す。

屯所につくと、私は自室へ向かう。

普段しないようなお化粧もして、一番綺麗な着物を着て、着物に合う簪を選んで、それに合う髪型に髪を結って。自分じゃないような自分になった。

土方「おい吉田いるか」
『おかえりなさい。土方さん。』

土方さんは目を見開いている。

土方「やっぱりなんでもねぇ。」

そう言い去っていってしまった。

私は仕方なく、近藤さんのところへ行く。

『近藤さん。』
近藤「ヨツバかい?いいぞ」
『失礼します。』

私が入ると、近藤さんも土方さんと同じように目を見開いていた。

近藤「どうしたの?そのカッコ」
『変ですか?やっぱり変ですよね。こんな綺麗な着物も、髪型も、お化粧も。』
近藤「いやいやいやいやいや!!めっちゃ似合ってるよ!!」
『お世辞でもありがとうございます』

近藤さんはお世辞じゃないよと言ってくれた。

近藤「そういえば、なんでそんな格好を?」
『ちょっと、ある人を振り向かせたくて、ね。あの人にかまってもらいたいだけなんですよ。ふふっ。馬鹿みたいでしょ?』
近藤「ウンウン。わかるよ!俺もお妙さんにかまってもらいたくてストーカーやってるからね!」

なんて話をして笑っていた。

土方「近藤さん。と吉田か。」
近藤「おおトシ!どうかしたのか?」
土方「いや。なんでもねぇ。それよりお前、なんでそんな格好してんだ。」
『可笑しいですか?私も女です。刀を置いてたまにはこういう格好をしてみたい時だってあります。』
土方「あと口調もオカシイ。なんか変だぞ。気持ちワリィな」
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