第32章 バレンタイン
帰る途中、たくさんの街の女から土方にチョコを渡してくれと頼まれ、やはり最終的に両手が紙袋で塞がった。
『吉田ヨツバ。ただ今帰りましたー!』
私はすぐに土方の部屋へ行く
『十四郎。はいこれ。』
土方「何だ?」
『チョコ。バレンタインの。』
土方「いらねぇ。」
その言葉が心に刺さった
土方「甘ぇもんは嫌いだ。万事屋にでもあげとけ。」
『そっか…わかった…』
土方「?」
私は紙袋を持って、また玄関へ行く
近藤「ヨツバ。また出かけるのか?」
『ええ。十四郎にチョコわたしに行ったらいらないって言ったので、銀時に私に行くんです。これ全部』
近藤「それには、ヨツバのぶんも入ってるんじゃないか?」
相変わらず鋭いお人だ。
『いらないって言われたあとに渡せるわけないじゃないですか。』
私はそう言い、屯所を出た。
ピンポーン
神楽「ハイハイヨー!あれ?ヨツバアル。どうしたアルカ?」
まあ中に入るアル。といい、中にいれてくれた。
神楽「ケーキ。ごっさうまかったアル!」
銀時「やっぱお前料理うめぇよな!」
『ははっ。ありがと。』
新八くんはお茶を出してくれた。
新八「その大きな紙袋どうしたんですか?」
『ああ。これね。これあげようと思って』
神楽「何アルカ?」
『バレンタインのチョコ。十四郎宛だけどね。いらないって言ってたから捨てるの勿体無くて。』
銀時は何かを察したらしい。
銀時「ったく。自分の渡してからそういうこといやぁいのによぉ」
ドタドタドタ
スパーン!
新八「土方さん!」
土方「万事屋!ヨツバの作ったやつもう食っちまったか!?」
銀時の口元がニヤリと笑った気がした。
何かしかけるつもりだ。
銀時「あ~。うまかった。やっぱりヨツバのつくる甘味はうめぇよ。あれ?どうしたのかなー?なんでそんな怖い顔してんだ?」
土方「いっぺん死んでこいぃぃぃぃ!!!」
と言って刀を抜いた。
やべぇ!銀時殺られる!!!!
『ちょッ!待ってって!十四郎!!!!あるから!私の手元にあるから!!!!』
そう言うと、私から取り上げたチョコを食べはじめた。
『嫌いなんじゃないの。』
土方「ヨツバの作ったもんは別だ。」
やはりそう言われると嬉しくなる。
銀時「まぁそうだよねぇ〜w自分の大切な彼女の本命チョコなんてもらって嬉しくないはずないもんね〜w」