第5章 白鳥沢学園男子排球部 その2
兵藤(…っ、2人とも大事な試合があるっていうのに、私のこと心配してくれてるんだ。)
兵藤「別に大丈夫だよ!!覚悟はしてたし、なんと言っても自分のソロは満足だったから!!」
『なら、いいんだけど。それにしては結構泣いてたんじゃないの?目が腫れてるし、クマがひどい。』
フーっとため息をつく。こいつは自分の中に溜めすぎなんだよ。周りにもう少し頼れば良いのに。
『…俺達ならお前の、兵藤の不満、全部ぶつけられたって何ともないから。』
川「ああ。今言いたくないなら、良いけど、言えるようになったらガンガン言ってくれても構わないから。」
川西はそう言いながら、兵藤の頭を撫でる。川西の目はとても優しかった。
兵藤は、肩を震わせながら、必死に涙を堪えていた。決して弱い姿を俺たちに見せまいとするように。
兵藤(ほんっとにこの2人は…もう、優しいんだから。包み隠さず話せたらどんなに楽だろう)
兵藤「えへへ。」
そんなに、辛そうな笑顔で耐えるの辞めてよ…
コーチ「1年!!集合!次の試合についてミーティングだ!!」
タイミングが悪いことに集合がかかってしまった。
『あー、もう!』
ガバっ
俺は汗をかいてるのも忘れて、兵藤に腕をまわした。
甘いバニラの香りが鼻腔をくすぐる。兵藤の細い身体を全身で感じる。
川西(おー、結構大胆に行ったね…)