第9章 また逢う日まで
「いやーーー‼︎よく寝た〜〜〜っ‼︎」
部屋一面に響き渡るルフィの元気な声にビビは安堵の息を吐いた。
目を覚ましたルフィは起きるや否や、帽子は?腹減った朝メシは?と兎に角忙しなかった。
「起きて早々うるせェなァてめェは…それに朝メシじゃねェ今は夕方だ」
サンジが呆れながらも指摘する、ウソップも帽子ならそこにあるぞと教えてくれた。帽子を見つけたルフィはお礼を言うとそれを頭に被る。
「ルフィさん元気になってよかった…」
本当に良かったと安心した顔のビビに言われ、身体の不調を感じないルフィはおれは元気だぞと首を傾げた。
それを聞いたナミが溜め息混じりに熱が出て大変だったのと、チョッパーとビビがずっと看病してくれてたのだと教えてくれた。
「そうだったのか、ありがとな!」
ルフィがお礼を言えばチョッパーもビビも嬉しそうに微笑んだ。
「おおルフィ起きたか」
部屋に入って来たゾロがルフィに気付き声を掛ければルフィがキョロキョロと部屋を見渡していた。
「どーしたんだルフィ?」
不思議に思いウソップが声を掛ける。
「ユナはどこ行ったんだ?」
今この部屋にはゾロ、ナミ、ウソップ、サンジ、チョッパーにビビがいるが後もう一人、最近新しく仲間になったユナがいない事にルフィが疑問の声を上げる。
「そーいやおれも朝から見てないな…どっか出掛けてるのか?」
ルフィの看病をずっとしていた二人なら知ってるだろうとウソップがチョッパーとビビを見やる。
「…それが……」
「ユナのやつ朝早く目を覚まして出て行ったきりまだ帰って来てねェんだ」
言い淀むビビの代わりにチョッパーがみんなに説明する。
何でも低体温症に陥っていたユナはルフィと同じく中々意識が戻らなかったが、今朝早く目が覚めると散歩に行くと言って出て行ってしまったらしい。
「まだ病み上がりだから止めたんだけど…夕方には戻るって言って行っちまったんだ」
もう夕暮れだ、あと少しで完全に陽が落ちるだろう…アラバスタの夜は冷える、やっと体調が戻ったのに風邪でも引いたら大変だとチョッパーは心配だった。