第24章 垣間見える鱗片
結局ルフィはサンジとナミに言い包められ、ウソップを連れて食糧を取りに行ってしまった。
「それじゃあユナはとりあえず着替えね」
ルフィ達を見送っていたユナはナミの言葉に振り向いた。
何故に今着替え?
疑問がそのまま顔に出ていたのだろう、ナミがビシリと服を指す。
「あんたの服、見てて痛々しいのよ」
ナミの言葉にユナは自身の服を見る。
確かにあちこち擦り切っている上に、左肩には大きな穴が空いているがそこまで酷いだろうか。
ユナが首を傾げているとナミが盛大に溜息を吐いた。
「服がボロボロなのもそうだけど、血も付いてるでしょ」
『…そうね』
「気持ち悪く無いの?」
『うーん? 気にした事ないから分からないわ』
「はァ…ちょっとは気にしなさい」
そう言うナミの方が私より気にした方がいいのではないだろうか。
ナミは私の手当てに自身のシャツを使ったから今は上がビキニ姿なのだ、それを指摘すると「これは水着だからいいの」と軽くいなされた。
ビキニは良くてボロボロの服が駄目な基準が分からん。またしても顔に出ていたのか「あんたの場合は痛々しいって言ったでしょ!」とすかさずナミに突っ込まれた。
そしてサンジ達と遺跡の広場で落ち合う約束をしてから、ほら行くわよとナミに半強制的に連れられユナはメリー号へと足を運んだのだった。
さて、メリー号に着いたはいいが、麦わらの一味の居候になってから買い物なんてろくにしてない訳で、そもそもファッションに興味もなかった訳で…アラバスタではビビが替えの服をくれたから忘れてたけど、当然私の服のストックなんて有るはずもなく。
「はァ〜、いい加減あんたの服買わないとダメね」
ナミが溜息混じりに頭をかかえる。
こんな事ならジャヤでロビンと一緒に買っとけば良かったかな、なんて思っても後の祭りだ。
『ナミ、私このままでも気にしないわよ?』
「バカね、あんたが気にしなくても私が気にするの」
ユナの服を探して自分のクローゼットを漁っているナミは、あれでも無いこれでも無いとブツブツ言っている。