第3章 初めまして麦わらの一味のみなさん
──暫く考えに耽っていたユナだったが徐に顔を上げるとナミに向き直った。
『…まァ、要は成り行きかな、細かい事はいいじゃ無い』
「細かいってあんたねェ…」
「まぁまぁ、なんでもいいじゃねェか、戦えるヤツが増えるのは喜ばしい事だとおれは思うぞ!」
うんうん、と腕を組んで頷くウソップに「レディに頼ってんじゃねェよ」とサンジが蹴りのツッコミをいれる。
『…ところで、この船は今どこに向かってるの?』
その一言でルフィ以外の一味の顔に緊張が走ったのが分かった。
「それがユナちゃん、ちと今色々と立て込んでてさ…」
なんでもアラバスタ王国の王女ビビをウチまで届けてる途中らしいが、今アラバスタは暴動が起きている、B・W(バロックワークス)という組織が裏で手を引き国王を陥れ反乱軍までもが立ち上がっていると言う。
そして今まさに反乱軍が王宮に攻め入ろうとしているらしく、それを止める為先ずは反乱軍の”リーダー”がいる”ユバ”に向かおうと言うのだ。
「…わかった!そのユバで反乱軍のリーダーをぶっ飛ばせばいいんだな⁉︎」
とんでも無いことを言うルフィにビビは思わずやめてと叫ぶ。
「反乱軍は説得するの…もう血を流して欲しくないから…!」
「70万人の反乱軍をだぜ?…止まるのか?」
会ったばかりのユナでさえ分かる、血を流して欲しくないと願うビビは心優しいのだろう…だがゾロの言い分は最もだ、70万人もの反乱軍を止めることが果たして出来るのかどうか。
「”止まるのか”…ですって……?…”止める”わよ…!もうこの国をB・Wの好きにはさせないっ…‼︎」
ビビのその叫びを聞いて一味の顔が引き締まる、みんなの気持ちはひとつだ、アラバスタを…ビビを助けたい、ユナも出来る限り力になろうと心に決めた。