第18章 キミとの約束(前編)
取りあえず今は一刻も早く目の前の敵を倒してユナをナース達に診せなければ…エースの眼が煌めく。
そんなエースの眼光に射抜かれたブーゲンはぐっと奥歯を噛み締めると奥の手を出した。
「──くそっ! 二人とも動くな!」
「っ!」
『…‼︎』
ユナに突き付けたナイフはそのままに、ブーゲンは空いてたもう片方の手で腰に差していた銃を取り出すとそれをエースに向けた。
『エース…!』
銃口がエースに向けられた事でユナは焦りの声を上げる、今のエースは生身の人間なのだ銃弾なんて簡単に貫通してしまう。
「大丈夫だ…心配すンな」
ブーゲンを見据えながら応えるが内心どう切り抜けようかエースは思考を巡らす…この距離なら銃弾をギリギリ避けれるかどうかだ。
最悪致命傷さえ食らわなければ問題ない、撃った瞬間が反撃のチャンス──緊張が走る。
エースとブーゲンが睨み合う中、ブーゲンは引き金に力を加える──それを見たユナは突き付けられたナイフも御構い無しに渾身の力を振り絞ってブーゲンに足払いを掛けた。
『──っ‼︎』
「のわ…っ⁉︎」
「…‼︎」
突然の衝撃にブーゲンは体勢を崩し銃口がエースから逸れる。その隙にすかさずエースは駆け出した。
「──ンの、ふざけやがって‼︎」
『…!』
「くそっ…!」
怒ったブーゲンは今度はユナに銃口を向けた。ユナは銃口を凝視しながら逃げなければと頭では考えるが、如何せん身体が言う事を聞かない。
引き金が引かれる──。
「死ねーーー‼︎」
「…っユナ‼︎」
『──っ‼︎』
パァンパァァアン──……。