第17章 神との対峙
『…誰が…貴方なんかに、降参、なんて…するもんですか…っ』
口だけは強気だが正直もう戦えるだけの気力はユナには残されていない。
それでもこの状況を打破する手立ては無いか必死に考える…だがその考える時間さえもエネルは与えてはくれなかった。
「おっと…そろそろ時間だ。生憎と私は忙しいのでな、終わりにしよう」
『…ぐっ……⁉︎』
ミシミシと嫌な音が聞こえる…手加減なく鳩尾に拳を食らったユナは抵抗も虚しく薄らぐ意識を遂に手放した。
「まァ、いい暇潰しにはなったな」
エネルはユナに刺さった槍を無造作に引き抜く…意識も無く支えを失ったユナの体は重力に逆らえずそのまま地面へと倒れて行った──。
「さて、サバイバルゲームの生き残りを見に行くか」
倒れたユナを拾い上げ小脇に抱えるとエネルはその場を後にする。
地面に落ちたオレンジ色の帽子を残して──。