第16章 神の国
その一方で──、メリー号の異変にルフィ達も気付いていた。始めに声を上げたのはウソップだ、自分達がまだ乗っていないのに進み出したメリー号を不審に思い双眼鏡で覗いてみれば案の定メリー号は特急エビによって運ばれていた。
「大変だ! 二人ともメリー号が大変だ‼︎」
「なんだよウソップ…かせ」
サンジがウソップから双眼鏡を受け取るとメリー号の方を覗く。
「な…っ⁉︎ ユナちゃんが海に落ちた‼︎」
「なに…⁉︎」
「ホントかサンジ⁉︎」
サンジの言葉にルフィがバルコニーから身を乗り出し飛び出そうとする。コニスの家は高台にある為メリー号とは距離がある…それ以前に海に出てしまってる船に追い付くのは不可能だ。
「待てルフィ‼︎ おめェが行っても助けられねェだろォ! …ってサンジも待て待て! どっちみちこの距離じゃ間に合わねェよ‼︎」
声を荒げ二人を制止させながらウソップが再度双眼鏡を覗くとゾロによって救出されたユナが見えた。
「はぁ〜…大丈夫だ、今ゾロとロビンが助けた…!」
ウソップの言葉に二人は胸を撫で下ろした…しかしメリー号に一体何があったのか、そもそも船はどこに連れて行かれたのか。
三人が頭を悩ませていればコニスが遠慮しがちに呟いた。
「おそらく神の島…生贄の祭壇に連れて行かれたのだと思います」
「生贄の祭壇だと⁉︎ ナミさんとロビンちゃんとユナちゃんとその他が生贄にされるのか⁉︎」
「な、マジかよ……」
「おいお前らすぐに出発だ‼︎」
コニスに神の島への行き方を教えて貰い、一刻も早く仲間を助ける為ルフィ達も急いであとを追うのだった──。