第15章 天国への道のり
メリー号が空高く登って行き、見えなくなった所でさっきまで夜みたいに暗かったのが嘘の様に、空には太陽が輝き辺り一面を照らし出していた。
「ゼハハハハハハハハ‼︎まいったぜ‼︎逃げられた‼︎」
「ゲホ…ゴホ…‼︎あいつら…運がいい」
「のん気な事言ってやがるぜせっかくの獲物をとり逃がしちまったってのによ、何とかしろよ船長‼︎さっさと追って仕留めようぜ」
下品な笑い声を上げながらティーチが言うと他の仲間も声を上げた。
「ゼハハ喚くなバージェス…この世から消えちまったわけでもねェ、すぐにまたハチ合うさこの”グランドライン”にいる限りな‼︎」
「その通りこの世は全て強い望みの赴くままに…”巡り逢う”歯車なのである」
ティーチと老翁に言われバージェスと言われた男は渋々ながらもそれ以上何も言う事は無かった。
ターゲットの麦わらがいないのなら長居は無用、船長でもあるティーチの指示のもと5人を乗せた筏はその場を後にした──。
その頃──ルフィ達は。
『──っ‼︎』
メリー号が突っ込んだ雲の中は水中みたいに水が有り息が出来なかった、その上猛スピードで進むメリー号に水圧が容赦なく伸し掛かる…そんな状態でもルフィは決してユナを離す事はしなかった。
体感的には長く感じたが時間にすれば数十秒だっただろう、だが雲を抜けた時にはみんな体力を消耗し切って息も絶え絶えにその場に倒れ込んでいた。
「ハァハァ…ハァ…」
『ゴホッ…ゴホッ……はぁァ』
「…‼︎、まいった…何が起きたんだ…全員いるか……?」
「ハァ…な、なんとか…」
「……ハァ…ハァ…」
「い、生きてるのか……?」
「…死ぬかと思った…はぁァ」
「…ったく…とんだ体験だぜ…」
タバコに火を付けてサンジが外の様子を伺う、そこで見たのは辺り一面真っ白な雲の上だった。どういう原理で雲の上に乗っているのか皆目見当もつかないが取り敢えず無事空に来る事は出来たらしい。