第14章 衝突
『ん〜〜〜っ、ふわぁ……』
思いっ切り腕を伸ばして伸びをしたところでユナは目を覚ました。瞼を開けて初めに目に入ったのは見た事のある天井だった。
『……あれ?』
見知った天井に自分が寝ているベッド、何だが既視感を覚えつつもユナは起き上がる、ここはクリケットの家の筈がだ周りを見回せば誰も居らず家の中はグチャグチャで壁も崩壊していた。
何があったのか…状況を飲み込めないままユナは取り敢えずみんなを探す為外へと向かう、扉を開け射し込む陽の光に一瞬目を奪われながらも辺りを見回せば、鶏に扮したメリー号が目についた。
何故に鶏なのか、どうせなら鳩の方がまだ飛べそうなのに…ひとりそんな事を考えていると不意に声を掛けられた。
「あら、起きたの風使いさん」
『…あ、ロビン』
聞こえた声に振り向けばロビンが本を片手に歩いて来た。ユナはクリケットの家の惨状に一体何があったのかロビンに尋ねる。
「わたしも聞いた話でしか知らないのだけれど…」
何でもサウスバードを探しにみんなで森に入っていた時に、金塊を狙って”ベラミー”と言う海賊がクリケットの家に押し掛けたらしい。クリケットとマシラ、ショウジョウは勿論戦ったが歯が立たずベラミーに金塊を奪われてしまった、それを今、サウスバードを捕まえて戻って来たルフィが取り返しに行ってるとの事だった。
『ちょ、ちょっと待って』
「何かしら?」
ロビンが丁寧に教えてくれたおかげで状況は把握出来たが、ユナはどうしても一つだけ腑に落ちないことがあった。
『みんなで森に入ったって…私も…?』
「あら…もしかして覚えていないの?」
頬に手を添えてロビンがユナをジッと見る、その視線を受けユナは昨日の事を思い出す。