Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第6章 なまリクII♡millieさまリクエスト
「そ、そんなことより式始まるぞ」
会場の照明が落とされ、どこやらの偉い人が小難しい話を始めると、当然のように僕を睡魔が襲ってくきて…僕は式が終わったことすら知らず…
「いいかげん起きろよ?」
翔くんに肩を揺すられて、漸く目を覚ました。
「あで…、もう終わったの…?」
「とっくにね…。ほら、行くぞ…」
呆れ顔の三人に引き摺られるようにして会場を出た僕は、再び窮屈な潤の車の後部座席に、今度は翔くんと一緒に押し込まれた。
でも不思議だね?
この窮屈なのが、全然嫌じゃないの。
翔くんとピッタリ密着してるからなのかな…
ちょっとだけ嬉しかったりする。
「どうする? 飯食い行く?」
またしてもサングラスをかけた潤がハンドルを捌きながら言う。
ってか、どう考えても羽織袴にサングラスって似合わないでしょ…
「せっかくだし、行っとく?」
「えーっ、この格好で行くの? 僕早く脱ぎたいよ…」
だって歩きにくいしさ、汚したら母ちゃんに怒られるし…
「だーめ。俺が脱がしたいから、そのままでいて?」
へっ…、今翔くん何て言った?
もぉ…、和や潤がいるのに…
僕の顔、青い羽織が真っ赤に染まっちゃうくらい、赤くなってるよ、きっと…
「そうゆうことなら、簡単に飯食って解散しますか? どうせ酒もまだ飲めないし…」
そっか、潤は車だし、何より翔くんまだ誕生日来てないからお酒飲めないもんね。
「それにさ、俺も早く和のこと脱がしたいし…」
サングラス越しでも分かるくらい、ニヤリと潤が笑う。
「も、もお…、潤なんて知らない…。潤のドスケベ!」
ホントだよ…
どうして男ってすぐ脱がせたがるのか、理解不能だよ…。
って思ってる僕も男の子なんだけどね。
結局僕達は近くのファミレスで簡単にご飯を済ませ、潤の送迎で解散することになった。
勿論、次の約束は忘れてない。
だって翔くんのお誕生日もあるしさ♪
その時は、晴れてお酒も煙草も解禁。
って言っても、僕はもう飲んじゃったけどね?
だって、ほんのちょっとだけだけど、僕の方がお兄さんだからさ。
でも翔くんには内緒。
翔くん拗ねちゃうから(笑)