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Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】

第1章 僕達のちょっとした悩み


智side


「ふ〜ん、なるほどね? でもさ、それって智の考え過ぎなんじゃない? ってかさ、カミングアウトしちゃったら、案外楽になるよ?」

人の事だと思って、勝手なことばっか…

って、思わないわけじゃないけど、実際和の言う通りなのかもしれない。

事実、和は会社にはカミングアウト済みだし…

「きっとさ、翔ちゃんも楽になりたいんじゃない? ほら、翔ちゃんの会社、女性社員多いみたいだしさ? それにこの間だって…」

言いかけて、和が慌てたように口を両手で押さえた。

「この間、って何? 翔くん、何かあったの?」

「バ、バカ、和! い、いや、何でもないんだ。だから、ちょっと落ち着こう?」

掴みかかる勢いで席を立った僕を、パパさんが宥めようとするけど…

パパさんも何か知ってるんだよね?

「言ってよ? 翔くんがどうしたの? ねぇ、教えて?」

こうなりゃ泣き脅し作戦だ。

って、涙なんて出てこないんだけどね?

「はあ…。仕方ないな…。言い出しっぺはお前なんだから、責任持ってサトくんに説明しろ」

パパさんの言葉に、和が一瞬唇を尖らせた。

和が本気で困っている時の顔だ。

でも、そんな顔したって無駄なんだからな?

「言えよ。翔くんがなんだって?」

今度は作戦を変えて、少し威嚇してやると、和が観念したように重い口を開いた。
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