Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第4章 僕達の倦怠期
気付いたら僕の目からは涙が零れていて、翔くんが指の腹で優しく拭ってくれる。
泣かないって約束したのに…
「智、目開けて?」
シーツを掴んだ手が解かれ、代わりに翔くんの手が僕の手を握る。
「ちゃんと俺を見て? そしたらさ、痛いのなんて吹っ飛んでくからさ…」
相変わらずよく分かんないことを言う翔くん。
でも…
「ホ…トだぁ…、しょ…く…の顔見てたら…痛くない…よ…」
痛いのが全然なくなったわけじゃない。
でも翔くんのちょっと困った笑顔を見た瞬間、嬉しいって感情が一気に沸き起こってくる。
こんな風に感じるのって、きっと翔くんだけだ。
翔くんだから僕は…
「も…大丈…夫、もっと来て…?」
もっともっと身体の奥深くで翔くんを感じたいよ…
うん、と頷いて翔くんが更に腰を押し進める。
「あっ…、あぁぁっ…」
より深くなった繋がりに、僕の背中が仰け反って、翔くんの手を握った手に力が入る。
「ほら、全部挿ったよ?」
うん、僕にも分かるよ…
だって翔くんの体温、すっごく感じるもん。
ちょっと暑苦しいくらいの、翔くんの体温を…
「動いていい?」
「んふ…、もぉ…、いいに決まってるでしょ?」
「だな…」
王子様みたいなウィンクを一つ僕に寄越して、僕の中の翔くんの息子くんが少しだけ引き抜かれた。