Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第4章 僕達の倦怠期
夢を見てるんだ…
だって翔くんがいる筈ないもん。
僕はグーで瞼をガシガシ擦ると、目をパチパチさせてから、もう一度声のした方をジーッと見つめた。
「なんで…いるの?」
そこにいたのは、お風呂上りなのか、バスタオルを腰に巻いて、濡れた髪をタオルで拭いてる翔くんで…
「なんで、って…。ここ俺ん家でもあるんだけど?」
「そ、そっか…、そう…だよね…」
いくら倦怠期だって言っても、まだバイバイしたわけじゃないし、それに家賃だって翔くんの方が多く払ってるし…
「つかさぁ、こたつで寝るなっていつも言ってるだろ? 風邪でも引いたらどうすんの?」
そうだよね…
僕が風ひいて翔くんに移しちゃったら大変だもんね。
バイトの僕とは違って、翔くんは正社員だし…
「ごめ…なさい…」
あーあ、きっとこういうとこなんだろうな…
翔くんが僕のこと嫌いになっちゃったのって…
「それとさぁ、俺遅くなる時は飯先食っとけって言わなかったっけ?」
だって一人で食べたって美味しくないんだもん…
「あ、後鍵、開けっ放しだったぞ? 不用心だろ?」
「も、もう分かったから…。僕が悪いんでしょ? だから翔くん僕のこと嫌いになっちゃったんでしょ?」
こうなったらもうやけくそだ…
「そ、それにさ、好きな人が出来たなら、僕に遠慮しないでいいから行けばいいじゃん…。どうせ僕なんてさ…」
ほらね、翔くん今すっごく怒った顔してる。