Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第3章 僕達のみっちょん♡
智side
カウンターの上にケーキが乗せられた。
この瞬間を僕は一番楽しみにしていたから、花火の刺さった豪華なケーキの登場に、思わず興奮しちゃう。
だってフルーツもいっぱいで、僕の名前が書いたプレートも乗っててさ…
そりゃ興奮するでしょ?
「凄い凄い! 超綺麗! 寝、翔くん!」
モフモフの両手で翔くんの腕を掴んだ。
でも翔くんはケーキのことよりも、何か別のことを考えているみたいで、僕の顔を真剣に見つめると、口元を少しだけ動かして、小さな声で、
「超綺麗だ…」
って…
ねぇ、それってもしかして…僕のこと?
「ねぇ、もう一回言って? ちゃんと聞こえなかったから、ね?」
聞こえたよ?
聞こえたんだけどさ、もっとはっきり聞きたいじゃん?
なのにさ、翔くんたら…
暗いのをいいことに、僕の顎に手をかけたかと思うと、すーっと顔を近付けてきて、僕の唇にそっと自分の唇を重ねた。
たまに大胆なことするんだよなぁ、翔くんて…
でもそれがちょっと嬉しくて、僕は離れて行こうとする唇を追いかけるように、唇の先を尖らせた。
でもその時、それまで暗かったお店が急に明るくなって…
慌てた翔くんは、何故だか口笛を吹き始めた。
ねぇ、それ誤魔化してるつもり?
ふふ、ざーんねん♪
もう手遅れみたいだよ?