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Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】

第3章 僕達のみっちょん♡


BGMの音量が上がり、同時にカウンターの中でオレンジ色の光がゆらゆらと揺れ始めて…

「うわぁ~…」

その光の正体がカウンターの上に置かれると、俺の隣で智が溜息交じりの声を上げた。

そしてかなり興奮した様子で、

「凄い凄い! 超綺麗! ね、翔くん!」

モコモコに繋がれた両手で俺の腕を引っ張った。

カウンターに乗せられたのは、一口サイズのロールケーキが何層にも積み上げられていて、周囲を色とりどりのフルーツで飾った、まるでバベルの塔のようなケーキで、その頂きには智の名前の入ったプレートが載せられ、更に蝋燭の代わりに花火まで…

そりゃ智が興奮するのも無理はない。

でも俺は、

勿論ケーキもだけど、俺にとっては、花火に照らされて、目をキラッキラさせて笑う智の方が何億倍も綺麗に見えて…

「ああ、超綺麗だ…」

ケーキに視線を向けることなく、呟いた。

当然、俺の声は店内に鳴り響くBGMに掻き消されてしまうだろう…そう思っていてのに…

「えっ…? なに?」

俺の声が聞こえたのか聞こえてないのか…、智が俺を振り返った。

「ねぇ、もう一回言って?」

なんだ聞こえてたのか…

「ちゃんと聞こえなかったから、ね?」

イヤだ…。
二回も言えるかよ、んな恥ずいこと…

俺は言葉で返す代わりに、小首を傾げて俺を見上げる智の顎に手をかけると、その中途半端に開かれた唇に、そっと自分のそれを重ねた。


と、その瞬間店内の照明が灯され…
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