Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第3章 僕達のみっちょん♡
翔side
店のBGMがピタリと止んで、続けて流れてきたのは、誕生日と言えば、のあのメロディー。
そしてこのサプライズパーティーの最も一番の見せ場でもある…いや、それは違うな。
自他共に認めるスイーツ男子でもある智が、最も喜ぶ瞬間、と言った方が正しいか。
その証拠に、
「あ~、パパさんたらそんなトコに隠れんぼしてたの~?」
智の声、超弾んでるし。
「ハハハ、ごめんね~、驚かせちゃったかな?」
いやいやパパさん、それは違うと思うぞ?
智のことだから、どうせ「パパさんがいないかったらケーキもなしじゃん」ってとこだろ…
「あ、潤、照明頼むよ」
えっ、まさかまた暗くなるとか?
つか、俺この先のプラン、なんも聞いてないんですけど?
取り敢えず、智の傍にいてやるか…
「ねぇ、翔くん。何が始まるんだろ? ワクワクするね?」
「だな? でも智が喜ぶことってのは間違いないんじゃないか?」
「ホントに? 絶対?」
絶対?、ってお前…
だから俺はなんも聞かされてないっつーの。
カウンターの中のパパさんと潤がアイコンタクトをする。
そしてパパさんが、パンと一つ手を叩いた瞬間、またしても店内の照明が落とされた。
でも今度は智もある程度予測済みだったのか、俺のジャンパーの裾を掴むことはない。
それがちょっと寂しくもあるんだけどね。