Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第36章 第36章 僕達の引越し協奏曲
智也くんを連れ、三人で家に帰ると、これまで広いと思っていたリビングが、急にちょっとだけ狭く感じた。
「不思議だね、こんなちっちゃい赤ちゃんが一人増えただけなのに」
「そうだな」
僕はしみじみリビングを見回した…けと、そんなのんびりしてる暇なんて無くて…
突然泣き出した智也くんに、僕も翔くんもビックリ。
オムツを替えてみたり、ミルクを飲ませてみたり、二人でてんやわんや。
でも智也くんか泣き止むことは、一向になくて…
困り果てた僕は、母ちゃんに助けを求めた。
母ちゃんは電話を切ってすぐ駆けつけてくれて…
「急に知らない所に連れて来られたから、ビックリしちゃったのね?」
泣きじゃくる智也くんを抱っこして、部屋の中をウロウロ始めた。
でも不思議なんだ。
母ちゃんに抱かれた途端、あんなに泣いてた智也くんが、嘘みたいに静かになって…
「やっぱり赤ちゃんにも分かるんだね、逆らっちゃいけない人って…」
ポツリ言った僕に、母ちゃんの鋭い眼光が向けられた。
「あ、ねえ、せっかくだから翔くんの母ちゃんも呼ぼうよ」
「そうだな、〝一応〟孫になるわけだからな」
孫…か。
智也くんが大っきくなって、結婚でもして、それて子供でも出来たら…
僕達もおじいちゃんになるってこと?
いやん、ちょっと楽しみかも🎶