Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第36章 第36章 僕達の引越し協奏曲
怒るかと思った。
だって、いつものいきなり写真撮撮ると、文句言うから。
でも珍しく嬉しそうで、しかもちょっぴり照れてるようにも見えて…
「なあ、せっかくどから四人で撮らないか?」
「そうだね、そうしよう🎶」
もしかしたら、これが城島先輩が智也くんと撮る、最後の写真になるかもしんないもんね?
翔くんは智也くんを再び城島先輩の腕に抱かせると、僕と翔くんとで二人を挟むようにして並んだ。
「撮るぞ?」
「うん!」
翔くんご構えるスマホに向かって、全員でピースをする…けどさ、やっぱり翔くんてば不器用で…
「も、もう一回…」
シャッターを押しては、撮り直しを何度か繰り返し…
「よし、完璧だ」
漸く渾身の一枚が撮れた頃には、僕らの笑顔はしっかり引き攣っていた。
それでも智也くんだけは…
「見て? 茂パパ見て笑ってる」
とびきりの笑顔を城島先輩に向けている。
「無理かもしれへんけど、少しでも俺の顔覚えてて欲しいなぁ…」
「大丈夫ですよ、絶対覚えてるよね、智也くん」
そうは言ったものの、目に涙浮かべて、寂しそうに笑う城島先輩の顔を見ると、胸がギュッと締め付けられたみたいになって…
僕は無理矢理笑顔を作って、溢れそうになる涙を堪えた。