Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第36章 第36章 僕達の引越し協奏曲
翔くんに夜通し、それはそれは丁寧に治療して貰った僕。
確かにココ最近、引越しの後片付けやら、色々な手続きやらで忙しくはしてたけど、まさか目が覚めた瞬間から、強烈な吐き気に襲われるとは、夢にも思っていなくて…
「うぅ…、じょぉぐん…、ぎもぢわるぃよぉ…」
慌ててトイレに駆け込んだ僕を心配してか、ずっとトイレの前を行ったり来たりする翔くんに、僕は涙目になりながら訴えた。
「お前、何か変なもんでも食ったんか?」
「わがんなぃ…」
でももし仮にそうだとしたら、翔くんだって同じ物を食べてるんだから、僕と同じになんなきゃ変じゃん?
「とりあえず、俺も仕事行かなきゃなんないし、和に来て貰うよう頼んどくから、休んどけ」
「うん…、そぅする…」
僕を一人にしないのは、勿論僕のためでもあるけど、実は翔くんのためでもあったりする。
だって翔くん、誰よりも心配性なんだもん。
「俺、行くけど、ちゃんと休んどけよ? いいな?」
「はぃ…」
ベッドに横になったまま、力無く手を振り、翔くんを見送ると、今度は睡魔が襲って来て…
なのにお腹のムカムカも治まらず…
僕は睡魔と吐き気に襲われながら、スマホを片手に和の到着を待った。