Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第36章 第36章 僕達の引越し協奏曲
書類の提出期限やら、聞き取りやら、面倒な調査を全て終え、家裁からの通知を待つこと約二ヶ月。
僕達(厳密には〝翔くん〟)の元に、養親になる許可が下りたことを記した通知が届いた。
「夢…じゃないよね?」
僕達はお互いのほっぺを摘んだ。
「痛い…ってことは、夢じゃないってこと、だよね?」
「どうやらそう…らしいな」
何度も何度も…、それこそ、穴が空くんじゃないかってくらい、二人で通知書を見つめ、お互いの顔を見合わせると、なんだかよく解んないけと、自然と涙ご溢れた。
「僕、ママになれるんだね?」
大好きな人といられるだけでも、僕にとっては最高で、超絶幸せなことなのに、また一つ夢がったと思ったら、やっぱり嬉しくて…
「翔くん…?」
「ん?」
「僕、〝ドキドキの病気〟になっちゃったみたい」
「マジて? どれどれ…?」
翔くんの手が僕の胸にそっと触れ、ついでに耳までくっつける。
もぉ…、そんなことされたら、余計にドキドキの病気が酷くなっちゃうじゃん♡
「本とだな…」
「でしょ?」
「これは…、治療ごひつよかもな」
え…っ?
治療ってまさかの…まさか?
「どうする、治療して欲しい?」
答えなんて決まってるのに、翔くんの意地悪。
治療して欲しいに決まってんじゃんねぇ?