Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第36章 第36章 僕達の引越し協奏曲
城島先輩の見舞いに行ってから数日後、僕達は養子縁組をするために、本格的に動き始めた。
必要書類の準備をして、それを家庭裁判所に提出して、難しいお話もいっぱいして…
それはもう、突然の引越し以上に大変な作業だった。
とは言っても、僕がしたことって言ったら、証人の欄にサインをしただけなんだけどね?
本音を言えば、配偶者の欄に名前を書きたかったけど、同性婚が認められていない以上、僕達の関係はよく行ってもパートナー止まり。
もっとも、まだパートナーにもなっていないし、当然実際の夫婦にもなれるわけもなく、現状僕の苗字が変わることはない。
仕方ない事なんだけどね?
でもちょっとだけ悔しかったりもしたかな…
それでも、絶対に叶わないと思ってた夢が叶うかもって思ったら、許可が下りるまでの期間、僕の胸は期待に膨らんだ。
買い物に行く度、赤ちゃんグッズが気になるし、本屋さんに立ち寄っては、勉強なんて大の苦手なのに、育児書なんか読んじゃったりしてさ…
その度に翔くんは、「気が早すぎ」って僕を諌めた。
翔くんのことだから、もし許可が下りなかった時、僕が落ち込み過ぎないように、って事なんだろうけとね。
それでも、夢に一歩近付けただけでも、僕にとっては凄く嬉しかった。
そして…