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Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】

第36章 第36章 僕達の引越し協奏曲


帰りの車の中、溜息ばかり付いてる僕が気になったのか、翔くんが車を路肩に停め、そっと肩を抱いてくれた。

「いきなり…過ぎたよな…?」って。

僕はそれにそっと首を横に振ると、翔くんの肩にコツンと頭を乗せた。

「確かにビックリはしたけどさ、でもそうじゃなくて…」

言いたい言葉が上手く纏まらなくて、僕ほ肩に回された翔くんの手をキュッと握った。

「あのね…、なんて言うかね…、その…」

何度も言葉に詰まる僕に、翔くんは何も言わず、ただただ静かに頷いてくれる。

「赤ちゃんは欲しいよ? でもさ、本当に僕なんかで良いのかな…って…」
「どうして?」
「だって、僕達男の子なんだよ? 普通にパパとママになれるわけじゃないし、もし、もしもさ…」

今は良くても、この先大きくなって、辛い思いや、悲しい気持ちにさせちゃうことにでもなったら、それこそ申し訳ないっていうか…

「智の言いたいことは分かるけどさ、でもさ、それも全部承知の上で、俺らに託したいって言ってくれてんじゃないのかな…」

うん、それは僕も感じていたことだけと、でも…

「それにさ、先輩が言ってただろ、〝智だから〟って」
「うん…」
「あれってさ、智なら何があっても乗り越えられるし、守ってくれるって分かってるからじゃないかなって…」

たしかにそうかもだけど、それは僕だけに限ったことじゃないんじゃない?
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