Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第3章 僕達のみっちょん♡
「う、うわぁっ…、なになに? 何が起こったの?」
よっぽど驚いたのか、智が椅子から転げ落ちる勢いで立ち上がって、明るくなった辺りをキョロキョロと見回した。
「ねぇ、翔くん…、これどういうこと…?」
どうもこうも…
サプライズパーティに決まってんだろ?
「なんか…、パパさんのお店なのに、パパさんのおみせじゃないんだけど…」
そこかよ…
まあ、確かに壁やら天井やら、デコレーションっつーの?がしてあるから、一見すると違う店に見えなくもないか…。
「智、Happy Birthday」
「あ、潤! もぉ、どこに隠れてたの?」
だから、お前…そうじゃないだろ…
「智、お誕生日おめでとう」
「あ、和まで隠れんぼしてたの? もぉ、酷いんだから…」
ハハハ…、ダメだこりゃ…
「あのな、皆智を喜ばせようと思って、準備してたんだよ?」
って言っても、三人が中心になって、だけど…
俺は正直なところ、何も手伝ってはいない。
俺が任されたのは、智に手錠をかけ目隠しをして、ここまで連れて来ることだけだ。
「翔さん、そろそろ外してやんなよ、手錠」
「おっ、ああそうだな…」
…って、鍵…どうしたっけ…?
まさかと思うけど…
「早く早くぅ♪」
「う、うん…。今すぐ外してやる…って言いたいとこなんだけどさ…、俺、鍵…家に置いてきちゃったみたい…」
どんだけポケットの中漁っても出てこない、ってことはそういうことだよな?
「智、マジごめん!」
「えぇ〜、そんなぁ…。もぉ、翔くんのバカ!」
あーあ、俺ってどうしていつもこうなんだろ…
肝心な時に限って何かやらかすんだよな…
ごめんな、智…