• テキストサイズ

Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】

第3章 僕達のみっちょん♡


翔side


潤の合図で店の照明が全て落とされる。

それと同時に智の視界を遮る目隠しを外した。

目を瞑っている約束でね?

でも、再度鳴らされた合図に驚いたのか、智は目を開けてしまったらしく…

「あ…れ…?」

俺のジャンパーの裾を掴んだ手にギュッと力が入る。

そりゃそうだろ…

目開けてもまだ真っ暗だったらさ、いくら智でも焦るよな。

正直俺だって、こんだけ真っ暗だと、ちょっと怖いし…

だから不安になるのは分かるんだけどさ…

「じょ、じょおぐ…」

まさか泣くとはね…

流石の俺もちょっとビックリだったわ…

「だぁっでぇ…、ぐすっ…」

「あ~、分かったから、泣くなって…、な?」

さっきまでじいちゃんだと思ってたのに、今はまるっきり赤ちゃんみたいだな、これじゃ…

俺はジャンパーの裾を握った手に自分の手を重ねて、胸の中に智をすっぽりと収めると、智の頭のてっぺんに鼻先を埋めた。

そうしていると、智の甘い匂いが鼻先を擽って…

「くくく、やっぱ赤ちゃんみたいだな」

周りに聞こえない様に、そっと耳元で言うと、

「違うもん、僕赤ちゃんじゃないもん…」

俺の胸を両手でトンと叩いて抗議してくる。

おっ、ちょっと落ち着いたみたいだな?

よし、今だ。

俺はパチンと指を鳴らして、潤に合図を送った。

その瞬間、店の照明が一気に灯されて、クラッカーの爆ぜる音が響き渡った。
/ 628ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp