Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第3章 僕達のみっちょん♡
翔side
潤の合図で店の照明が全て落とされる。
それと同時に智の視界を遮る目隠しを外した。
目を瞑っている約束でね?
でも、再度鳴らされた合図に驚いたのか、智は目を開けてしまったらしく…
「あ…れ…?」
俺のジャンパーの裾を掴んだ手にギュッと力が入る。
そりゃそうだろ…
目開けてもまだ真っ暗だったらさ、いくら智でも焦るよな。
正直俺だって、こんだけ真っ暗だと、ちょっと怖いし…
だから不安になるのは分かるんだけどさ…
「じょ、じょおぐ…」
まさか泣くとはね…
流石の俺もちょっとビックリだったわ…
「だぁっでぇ…、ぐすっ…」
「あ~、分かったから、泣くなって…、な?」
さっきまでじいちゃんだと思ってたのに、今はまるっきり赤ちゃんみたいだな、これじゃ…
俺はジャンパーの裾を握った手に自分の手を重ねて、胸の中に智をすっぽりと収めると、智の頭のてっぺんに鼻先を埋めた。
そうしていると、智の甘い匂いが鼻先を擽って…
「くくく、やっぱ赤ちゃんみたいだな」
周りに聞こえない様に、そっと耳元で言うと、
「違うもん、僕赤ちゃんじゃないもん…」
俺の胸を両手でトンと叩いて抗議してくる。
おっ、ちょっと落ち着いたみたいだな?
よし、今だ。
俺はパチンと指を鳴らして、潤に合図を送った。
その瞬間、店の照明が一気に灯されて、クラッカーの爆ぜる音が響き渡った。