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Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】

第36章 第36章 僕達の引越し協奏曲


翌朝、僕の予想に反して、小鳥ちゃん達のさえずりで、いつになく爽やかに目覚めた僕は、フカフカのベッドに潜ったまま、翔くんの姿を探した。

いつもなら、僕が呼べばすぐに返事が返って来るんどけど、どうやら新しいお家はそういうわけにもいかないらしい。

僕はノソノソとベッドから這い出ると、腰をスリスリしながら階段を降りた。

「翔くん? どこ?」

別に迷子になる程の大豪邸ではないんだけどさ、こんなことならやっぱり昨日のうちに散策を済ませておけば良かったと、今更ながらに後悔してしまう。

僕は小さく溜息を落とすと、見覚えのあるドアを開けた。

「お、やっと起きたか」

翔くんはリビングのソファに座り、優雅にコーヒー片手に新聞を捲っていた。

「ずるい…、僕にもコーヒーちょうだい?」
「うん、待ってろ」

料理音痴で、麦茶くらいしか作れなかった翔くんだったけど、最近になってコーヒーの作り方だけは覚えたみたいだ。

って言っても、インスタントなんだけどさ…

「はい、どうぞ」
「ふふ、ありがと♡」

ソファに腰を下ろし、マグカップを受け取った僕は、フーフーしながらカップなね口を付けた。

「美味しい♡」
「だろ?」

どこにでも売ってるインスタントのコーヒーだけど、甘さも温度も、全部僕好みで美味しい。
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