Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第36章 第36章 僕達の引越し協奏曲
三人を見送り、リビングに戻った僕は、積み上げられた段ボールの一つを開けた。
「確かここに入れた筈なんだけど…」
おかしいなぁ…、別の箱だっけ?
「何探してる?」
「んとね、花瓶…探してるんだけどね、見当たらなくて…」
「ふーん…。で、花瓶なんてどうすんの?」
ど、どうすんの…ってさ、普通にて分かんない?
もしかして翔くんの目には、この豪華な花束が入ってないとか?
いやいや、そんの筈ないか…
「だって、早くお水に浸けないと、せっかくのお花が枯れちゃうもん」
絶対高かっただろうし…
「ふーん…つか、それ水に浸ける必要無いと思うけどな」
へ?
どういう…こと?
頭の上に無数の?マークを浮かべる僕の前で、翔くんがこれでもかってくらい、ニヤニヤして花束を手にする。
「これ、造花だぜ?」
「え、造…花?」
「つか、これ…良く見てみろ」
僕は翔くんから花束を受け取り、花の一つを指で摘まんだ。
「え、え、えぇぇっ…? 何これ…」
僕がお花だと信じて疑わなかったそれは、良く見ると一辺が3センチ程度の、色とりどりのパッケージで…
「え、もしかしてもしかするとどけど、これって…アレ…なの?」
「もしかしなくてもアレだろうな?」
うっそ〜ん…
あ、だから潤てばあんなことを?