Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第3章 僕達のみっちょん♡
翔くんが僕の手を引いて、(多分)パパさんのケーキ屋さんと、潤のカフェの境目まで連れていかれる。
足の裏に感じる床の感触が違うから、すぐ分かる。
「智、ここ座って?」
僕の後ろに椅子(?)が置かれて、僕はゆっくりそこに腰を下ろした。
その時、どこか遠くの方で、パチンと何かを弾くような音がして、
「ね、ねぇ、翔くん…、何が始まるの?」
見えないことがこんなに不安なんて…
僕は手探りで翔くんのジャンパーの裾を掴むと、両手でギュッと握った。
「目隠し、外すね?」
良かった…、ずっとこのままだったらどうしようかと思った。
「あ、でも、目は瞑ってろよ?」
え~、なんで~?
でも翔くんの前では素直な僕は、そっと目隠しが外された後も、ギュッと瞼を閉じていた。
そしたらまたどこかでパチンと音がして、僕は思わず閉じていた瞼を開いてしまった。
「あ…れ…?」
パチパチと何回か瞬きをしてみるけど、目の前は真っ暗なままだ。
おかしいなぁ…、なんで?
首をキョロキョロと巡らしてみるけど、どこにも明かりなんてなくて、そうなると怖がりじゃない僕でも、不安はマックスになる。
「じょ、じょおぐ…」
あーん、泣くつもりないのに勝手に涙が出てきちゃうよ…
「えっ、智泣いてんの? 嘘だろ…」
うぅぅ…、真っ暗でも分かるもん…
どうせ翔くんの肩、ガクーンってなってるんでしょ?