Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第36章 第36章 僕達の引越し協奏曲
「…とし、いい加減起きろよ?」
翔くんの声と、肩を揺すられたことで、深い睡眠から呼び起こされた僕は、まだぼんやりとする目で辺りをグルッと見回した。
「引っ越し屋さん…は?」
ついさっき(←僕の感覚ね)まで、アッチへバタバタ、コッチへバタバタしてたお兄さん達が、どこを見ても見当たらない。
「とっくに作業終わって帰ったけど?」
へ…?
そんな筈は…
僕はポケットからスマホを取り出し、画面に表示された時間を見た。
すると…
「え、嘘…だよね?」
いくら疲れてたからって、こんな時間まで?
「起こしてくれれば良かったのに…」
お兄さん達にお礼だってしなきゃだったのに…
「あんまり気持ち良さそうに寝てたから…」
確かに気持ち良かったよ?
おかげですっごいスッキリしてるもん。
でもさ、そういう問題じゃなくない?
…って、翔くんに言ったところで、きっとまともには取り合ってくれないだろうし、仕方ない…よね?
だって、睡魔に負けたのは、誰でもない、この僕なんだから。
「それよかさ、腹減った」
そっか、僕が寝てたから…
「何か作ろうか?」
僕ばっか楽しちゃってるのも、申し訳ないし…