Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第36章 第36章 僕達の引越し協奏曲
と、まあ感動に浸った僕だけど、その時間もそう長くは続かず…
待ちかねたかのように引っ越し屋さんのお兄さん達が、そりゃもぉ手際よく床やら壁やらに養生シートを貼り付けて行き…
所在なくウロウロする僕を横目に、段ボールを次々と運び込んで行く。
こういう時に思うんだけど…
やっぱり翔くんは頼りになるっていうか…
運び込まれる段ボールの置き場を、ちゃんとお兄さん達に指示してるし、なんなら自ら運んじゃったりもしてる。
比べて僕はといえば…
「智はそこ座ってな?」
相変わらず過保護な翔くんに甘えっぱなし。
本当はさ、いくら翔くんが勝手に决めたことだって言っても、二人で暮らす家なんだから、二人で…って思うんだけどね。
でも翔くんの性格だからさ、僕が手を出そうものなら、全力で止めるだろうし…
今だってさ…
「暇だったら、ソファで寝とけ」
とかさ、いくら僕でもこの状況で寝れると思う?
…と言いながら、夜中の大運動会がだいぶ響いてるらしく…
クッションを抱っこした途端、急に睡魔が襲ってくる。
耐えたよ?
めちゃくちゃ耐えたんだよ?
でもさ、睡魔にはどうしたって勝てないんだもん。
分かるでしょ?
分かる…よね?