Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第36章 第36章 僕達の引越し協奏曲
と、まあそんねこんながありながらも、僕たちは住み慣れた部屋で一夜を過ごし…
結局ろくに寝れないまま、いよいよ引っ越し当日の朝を迎えた。
あらかじめ買っておいたパンと缶コーヒーで簡単な朝食を済ませ、引っ越し屋さんの到着を待つ。
その間も、僕は全然落ち着かなくて…
「ねぇ、忘れ物とか無いよね?」
「多分な。つか、仮にあったとして、どうせ掃除やらしなきゃなんないんだから、そこまて心配する必要無いんじゃね?」
それはそうなんだけどさ、やっぱり気になるじゃん?
僕はキッチンの片隅に纏めたゴミ袋の山に、アレコレして出たゴミ(ほぼ使用済みティッシュ)の袋を積み上げた。
「ちゃんとゴミの日にだしてるつもりでも、ゴミって案外溜まるもんなんだね?」
「確かに…」
もっとも、生活ゴミばっかじゃなくて、ここそとばかりに断捨離した物もあったりするけどね?
「そろそろ来るんじゃないか?」
翔くんに言われてスマホの時計を確認した僕は、窓を開け放ち、ベランダへと出た。
下を見下ろすと、そこにはもうトラックが停まっていて…
「引っ越し屋さん来たみたい」
ベランダから、悠長にキッチンで新聞を開く翔くんにこえをかけた。
そのとき、丁度タイミング良くインターホンか鳴った。