Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第3章 僕達のみっちょん♡
智side
連れて来られたのがパパさんのお店だってことは、その匂いですぐに分かった。
「ねぇ、パパさんのお店なの? コーヒーの匂いもするし…。そうでしょ?」
僕のモフモフの巻かれた手を握る翔くんの手を引っ張る。
でも翔くんたら、
「だったら?」
って…。
もうホント、意地悪なんだから…。
目隠しだって外してくれないしさ…
しつこいようだけど、今日は僕の誕生日なんだよ?
なのにさ、酷いよ…
「もう少しだけ我慢して?後で思う存分ケーキ食わせてやるから、な?」
すっかりいじけてしまった僕を可哀想に思ったのか、翔くんが僕の耳元で言う。
そんな言葉で誤魔化されたりしないんだから…
って思うんだけどさ、やっぱり甘い物の誘惑には弱いんだよなぁ…
「ホントに?ケーキ沢山食べちゃっていいの?」
それまで沈んでいた僕のテンションが、一気に上昇する。
「勿論。だから、我慢出来るよな?」
うんうん!
「約束だよ?」
ホントは指切りげんまんでもしたい気分なのに、この状態では出来ないや…
でも、
「うん、約束だ」
翔くんがそう言うなら僕…
「じゃあ、もうちょっとだけ我慢する」
僕って単純…って思うけどさ、翔くんは僕との約束破ったりしないもん。
僕、信じてるからね?