Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第3章 僕達のみっちょん♡
翔side
智の手に手錠をかける。
まるでなんかの小説で見たような光景だけど…でもアレは俺がかけたわけじゃないか…
いや、そんなことはどうでもいい。
そう、何で手錠をかけたか、って言うと…
それは潤に頼まれたからであって、別に俺の趣味ではない(と思う)。
けど…
モコモコを両手首に巻き付けた状態の智の可愛いこと。
思わずその場に押し倒したくなるけど、そんな時間はなくて…
手錠と一緒に渡された目隠しで智の視界を遮ると、モコモコの巻き付いた智の手を引いて俺は地下駐車場に向かい、この日のためにわざわざレンタルした車の助手席に、手錠に目隠し状態の智を座らせた。
目隠しをしているせいか、その表情は分からないけど、見るからに不安そうだ。
行き先さえ教えて貰えないんだから、いくら智でもそりゃ不安にもなるさ。
けど…
不安そうにしてる智が、やっぱり可愛くて…
「行くって、どこに?」
繰り返しされる質問にも、ついつい「内緒」と答えちゃうんだよな…
ごめんな、智。
俺、お前のその反応、めっちゃ楽しんでるわ。
ま、一応?
安心させるために、信号待ちの時間を利用して、智の手を握ってやる。
そしたらさ、智のやつ…
ビクッてしちゃってさ…、くくく…
マジで押し倒したくなるけど、無情にも信号は赤から青に変わり…
仕方なく智の髪をそっと撫でてから、モコモコで繋がれた手を握った。