Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第35章 僕達の青いチューリップ
…って、期待した僕が馬鹿だった…
だって翔くん…
「智にしては随分下手くそだな(笑)」
なんて笑うんだもん…
しかも、だよ?
僕の手からリモコンを取り上げて、またテレビ点けるしさ…
なんか僕…不安になっちゃう。
だって翔くんがくれたんだよ?
自分で作ったのに、忘れちゃうなんてこと、ある?
「ねぇ、ほんとに覚えてないの?」
「だから覚えてねーし…」
「ほんとにほんと? ねぇ、良く見てよ…」
僕は折り紙で作った青いチューリップを、テレビを見つめる翔くんの目の前でヒラヒラさせた。
でも…
「しつこいぞ、お前…」
翔くんは青いチューリップを見ようともしないし、なんなら僕の顔すら見てくれなくて…
ほんとに忘れちゃったんだと思うと、何だか悲しくなってくるし、腹も立ってくるしで…
「もういいもん! 翔くんなんて知らないもん!」
僕は青いチューリップを翔くんに投げ付けると、プイッとばかりに翔くんに背中を向けた。
ばっかみたい…
翔くんがくれた物だから…って、ずっと大事に大事に宝箱に仕舞っておいたのにさ、大切に思ってたのは僕だけだったなんてさ…
それに、今日が何の日かも忘れちゃってるみたいだしさ…
寂し過ぎるよ…