Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第35章 僕達の青いチューリップ
「ねぇねぇ、これ見て?」
僕が取り出したのは、実家に帰った時にたまたま見つけた、多分クッキーか何かが入ってたんだと思うんだけど、所々錆び付いた缶の箱で…
僕にとっては、小さい頃の思い出がたーくさん詰まった宝箱。
なのに翔くんたら…
「そのこ汚い箱がどうかしたのか?」
チラッと見ただけで、すぐにテレビの芸人のコントにお腹を抱えて笑い出すから、ムカついちゃう。
だから僕は翔くんの手からリモコンを取り上げ、テレビをパチンと消した。
「あー、お前…、今イイトコだったのに…」
当然、翔くんは怒るけどさ…
だって、ヘンテコな芸人を見るより、僕の方を見て欲しいんだもん…
「あのね、これ…、覚えてる? それからこれも…」
僕は箱の蓋を開け、中に入っていた物を、次々テーブルの上に並べていった。
でも翔くんは首を傾げるばかりで…
「じゃ、じゃあさ、これは?」
他の物は別にどうだって良い…わけじゃないけど、これだけは絶対に覚えていて欲しい…
そう思いながら、ヨレヨレになった青いチューリップを、翔くんの丁度目の前に置いた。
そしたらね、翔くん…
「あっ…、これ…」
ふふ、その反応を待ってたんだよ、僕は♪
だって翔くんが忘れるわけないもんね(^-^)