Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第34章 俺達のちょっと大胆な夜
「美味しくなかった?」
恐る恐る聞いてみる。
すると、それまで組んでいた腕を解き、再び手にしたフォークを、モンブランと言えば…なグルグルの部分に刺した。
「違う、そうじゃなくて…。今まで食べた中でNo.1の美味さだな」
「本当に? 嘘じゃない?」
「嘘じゃないよ。だって世界一のパティシエと、その息子が作ったモンブランなんだぜ? 美味くないわけないだろう?」
そこまで言われてもまだ不安な俺の前に、モンブランを掬ったフォークが差し出される。
「食ってみ?」
ほら、とばかりに差し出されたフォークを、「うん」と頷いてからパクっと咥える。
うわぁっ…
口に入れた瞬間から、口の中にフワッと広がる甘さ…
でも甘いばかりじゃない、栗特有の若干の渋みもちゃんと感じる。
「美味…しい…」
「だろ?」
自分で作っといて言うのもなんだけど…(笑)
「こんな美味しいモンブラン、初めてだよ」
「俺もだよ。サンキューな、和」
「え…、うん…」
喜んで貰えて良かった…
本当はさ、ずーっと不安だったんだ。
潤は拘りの強い男だから…
でも頑張って良かった!
「あ、ねぇ、“あーん”して上げよっか?」
誕生日だし、普段は絶対しないけど、特別サービスだ(笑)