Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第34章 俺達のちょっと大胆な夜
潤がロウソクの火を吹き消す。
「お誕生日おめでとう、潤」
「お、おう…、サンキュー…な…」
照れてるのか、人差し指で鼻の頭をポリポリと掻く潤。
一目見ただけで、潤が喜んでくれてるのが分かる。
つか…、間に合って良かった…
ホッとしたせいか、日付けが変わると同時に、ドっと疲れが押し寄せて来る。
「それにしても、何でモンブランなの?」
「それは…、だって潤、モンブラン好きでしょ? だから…俺…」
「もしかして…、和が?」
「うん、潤に喜んで貰いたくて…」
季節柄栗に拘った物ではないけど、それでも愛情だけはたっぷりこめたつもりだ。
「あ、一応パパにも手伝って貰ったけどね?」
俺一人では、ちゃんとしたモンブランになるか心配だったし…
「そっか。それでも嬉しいよ」
「あ、ねぇ、食べて?」
潤にフォークを差し出すと、潤は迷うことなくてっぺんに乗っかった栗のシロップ漬けにフォークを突き刺し、一口に頬張った。
「これは…」
フォークをお皿の上に置いた潤が、難しい顔をして両腕を組むから、不安になる。
もしかして、美味しくなかった…、とか?