Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第34章 俺達のちょっと大胆な夜
「え、これって…もしかして?」
箱の中を覗き込んで、潤が目を輝かせる。
「もしかしても何も…バースデーケーキに決まってるでしょ?」
ふふ、変な潤(笑)
…って、呑気に笑ってる場合じゃない!
「ね、ライターは?」
「え、ああ…、確かそこの引き出しに…」
素裸の潤が、未だ元気な中心を揺らしながらあたふたと動き回る。
なんだか、笑っちゃうくらい間抜けな姿なんだけど、とりあえず今は笑ってる暇はない。
なんたって、日付けが変わるまでに残された時間は、僅か数分…
このままじゃ間に合わなくなっちゃう。
なのに潤ときたら、引き出しを全部引き出してはガサゴソガサゴソ…
「ね、チャッカマンは?」
「それならキッチンに…」
「OK!」
キッチンまで回ってる時間はないと判断した俺は、カウンターをに身を乗り出し、手を伸ばした。
「あった! ね、座って? 早く!」
「お、お、おう!」
小さな箱から取り出した、手のひらに乗るくらいの小さなモンブラン…
そのてっぺんにロウソクを立て、チャッカマンで火を灯す。
本当は歌でも歌って上げたいところだけど、そんな時間は…ないみたいで…
「早くフッてして?」
俺は早くロウソクの火を吹き消すよう、潤を急かした。