Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第33章 俺らの疑問と秘密
「さーとし? 風邪ひくぞ?」
案の定、エアコンでガンガンに冷えた部屋で、ソファーの上に身体を丸めて眠る智に、智のお気に入りのタオルケットをかけてやる。
すると、長い睫毛が微かに震えてから、瞼がゆっくり開いて…
「んふ…、しょおくんだぁ〜」
俺に向かって、枕代わりにしていた両手が伸びてくる。
「お出かけしてたの?」
「うん、ちょっと…な?」
とても潤とホテルに…なんて言えねぇ(笑)
「あ、これお土産。好きだろ、ここのケーキ」
「わあ、ありがと〜♪ 翔くん、だ〜い好き♡」
「うおっ…、ちょっ…、苦しいって…」
と、言いつつも、まんざらでもない俺…(笑)
つか、こんなに密着されたら…
せっかく鎮めた筈の熱が、沸々と音を立てて湧き上がって来る。
「ケーキもいいけどさ、俺は智が食いたいな…。ダメか?」
頬に触れた智の髪先から香る、智の甘い匂いが、ケーキの甘さを簡単に超えてしまう。
「んふ、どーしよっかな〜♪」
なんて口では言ってるけど、その目はもうケーキとは別の物を欲していて…
智を勢い良くソファーに押し倒すと
「俺が欲しい?」
「うん、すーっごく欲しい…」
“合意“の確認をする俺。
そんな俺を、智はふにゃふにゃ笑って見上げている。
その笑顔に、ほんのちょっと…いや、かなりの罪悪感を感じてしまう。