Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第33章 俺らの疑問と秘密
潤が頭を乱暴に掻きむしる。
和を大切にしたいと思う気持ちと、でも自分の欲望を満たしたい気持ちとがせめぎあってるんだと思う。
すげぇ複雑な顔してっから…
ま、俺もその気持ちは理解出来なくはないけど…
「な、なあ…、俺、別に和に嫌われてるとか…じゃないんだよ…な…?」
は、はあ?
「おまっ…、何言ってんの? 和がお前のこと嫌いとか、絶対ねぇし…。なんなら、俺や智だって…」
和が潤を思う感情とは、俺達の感情は確かに違う。
でも確かに共通してんのは、“潤を好きだ”ってことだ。
勿論、俺達に恋愛感情なんてないけど…
「だからさ、愛してるから抱きたいってのは分かるけどさ、ガツガツすんじゃなくてさ、和の気持ちを考えながらでも良いんじゃねぇか?」
なんてさ、偉そうなこと言ってるけど、俺だって智の気持ちも無視して…なんてこと一回や二回じゃないけど…
「つか、俺シャワー浴びて来ても良いか?」
流石に他の男の匂いをプンプンさせて帰るわけにはいかない。
「えっ、ああ、うん…」
俺は枕で前と後ろを隠したまま、コソッとベッドを降りると、潤に背を向けることなくバスルームへと向かった。
「襲わねぇし(笑) つか、悪かった…」
ドアを閉める間際、潤がポツリ呟くように言った。