Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第33章 俺らの疑問と秘密
潤の、いつも(…が、どうかは知らないが…)よりも熱い吐息が、俺の鼻先や頬を掠めて行く。
つか、これ普通にキスする距離感じゃん…
どうするよ、俺…
そんな俺の動揺を読み取ったんだろうな…
「そんな怯えないでよ」
潤がクスリと笑う。
別に怯えてるわけじゃない…けど、この状況はひっじょーに気まずいわけで…
「安心して? 俺、和以外とキスするつもりはないから。翔さんもそうでしょ?」
「そ、それは…そうだけど…」
仮に悪ノリであっても、智以外の奴とキスなんて…考えたこともなければ、そっから先のことだって…
「じゃあ、キスは抜きってことで…。いいよね、翔さん?」
「えっ、いや、だからっ…!」
言いかけた俺の視界から、不意に潤の顔が消えた。
…と、思った瞬間、首筋に感じたざらついた感触…
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっ…と、待て…って…。ん…」
はっ…、俺ってば今なんつー声を…
どうか潤に聞こえてませんように!
なんてさ、無理な話か…
「へぇ…、翔さんてそういう声出すんだ?」
気せずして漏れた俺の声は、しっかり潤の耳を刺激していて…
「もっと聞きたいな…。つか、聞かせて貰おうか?」
ついでに潤のドS魂に火を付けてしまったようだ。
つかこれって…、男櫻井翔、人生最大のピンチ、ってやつじゃね?