Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第33章 俺らの疑問と秘密
「と、とにかくだな、俺は無理だから…。もし本当に自分のテクを試したいんなら、そっちのプロに頼めよ」
そうだ、俺みたいに智しか知らない男なんて相手にしなくたって、経験豊富なその道のプロなら、潤の悩みなんて簡単に解決してくれる筈だ。
何も“俺”じゃなくたって良い。
「とりあえず俺帰るから…」
親友が(多分)本気で悩んでるんだ、何とかしてやりたい気持ちはある。
でもそれとこれとは話が別だ。
勢い良くカウチソファーから立ち上がった俺は、潤を振り返ることなく、大股で入口ドアへと向かった…つもりだったんだけどな…
やっぱ俺持ってんだろうね…
「イテッ! うおっ…!」
思った以上に部屋の面積を占めていたベッドに躓き、挙句…
「しょ、翔さんっ!」
倒れそうになった俺を抱き留めようとした潤もろとも、ベッドに倒れ込んでしまった。
当然、俺の視界の先数センチ…いや、なんなら鼻先が触れ合う距離に、潤の濃ゆい顔があって…
思わず俺の喉が、異常な音量でゴクリと鳴った。
「えと、あの…潤…くん…? ちょっとどいてくんねぇ…かな…」
どうにか押しのけようとするけど、俺より(若干)背の高い潤は、ピクリとも動かない。
それどころか、ベッドにぶつけた方の足を膝で抑え込まれちゃ…
どう考えたって逃げられねぇじゃんか…