Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第33章 俺らの疑問と秘密
「行こうか」
フロントでカードキーを受け取った潤が、サングラス越しに俺を見つめる。
つーか、なんで俺ドキドキしてんだ?
「あ、あの…だな、潤? その…なんつーか…」
チン…
言いかけたところでエレベーターが止まり、潤が俺の肩を抱く。
いやいや、それ違くねぇか?
絶対相手間違ってるだろうが!
「ここだ…。入って?」
部屋番号を確認して、カードキーでドアを開けた潤が、振り返ることもなく俺の肩を背中を押す。
仕方なく足を踏み入れた先には、ダブルのベッドがドーンと鎮座していて…
確かにここなら誰にも邪魔されることもないし、静かで良いけど…、落ち着かねぇ(笑)
「お茶でもいれるから、座って?」
「あ、ああ、うん…」
って、どこに座れば良いのやら…
俺は部屋をグルリと見回し、二人がけ用のカウチソファーに腰を下ろした。
「あ、ビールの方が良ければ…」
「いや、お茶で良いよ…」
出来ればアルコールの方が有難いところだが、潤が飲まないのに、俺だけが…ってのも申し訳ない。
それに真っ昼間からビールを飲んだ、なんてことが智に知られたら…
「僕がお仕事してるのに、翔くんだけずるーい!」
って、絶対なるに決まってるからな(笑)