Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第33章 俺らの疑問と秘密
そう言えば…
口の中で氷を噛み砕きながら、つい最近潤から貰った電話のことを思い出した。
丁度営業先で交渉の最中だったし、その後潤から一切連載もなかったから、すっかり忘れていた。
「この間電話くれただろ? 何だった?」
「えっ…、ああ…、そのこと…ね…。それなら、もう良いから…」
普段は客商売のおかげもあってか、あまり表情に出すことをしない潤が、一瞬酷く動揺したみたいに目を泳がせた。
「いやいや、良くねぇだろ…。あんな時間に電話かけてくんだから、何かよっぽどの用事だったんじゃねぇの?」
そうでもなけりゃ、仕事中だと知っていて、潤が俺に電話をかけてくることは、まずない。
もし急用だとしたら、その時は俺にじゃなく智にかける筈。
それなのに、わざわざ“俺に”ってことは、俺に直接用があった、ってことだ。
その証拠に、潤の奴…、ずっと同じグラス拭いてるし(笑)
「なあ、俺らの間で隠し事とか、遠慮とか? 必要なくね?」
そりゃ、全部が全部オープンにする必要はないし、智のことならともかくとして、潤の全てを知っていたいとは思わない。
それは和の役目だし。
ただ、もし他の奴らにも言えないような悩みを抱えてるんだとしたら…、それはちゃんと相談して欲しいと思うし、相談にも乗りたいと思う。
そこに遠慮なんてモンは、全く必要ない。