Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第2章 俺達のちょっと困った事情
「ねぇ、ヤバいって…!」
パパさんの服を手にした和が、部屋に戻って来るなり、慌てた様子で頭を抱えた。
「なに、どうした?」
「どうしたもこうしたもないよ…。パパに聞かれた…」
「聞かれたって…まさか”あの声”?」
まあ…、あんだけデカい声上げりゃ、当然聞こえてるだろうな…
「そうだよ…、パパったら目も合わせないんだもん…。それどころか、俺の顔見るなり顔真っ赤にしちゃってさ…。ああ、もう俺恥ずかしいよ…」
安心しろ、俺は若干恐怖を感じてるよ。
普段は温厚なパパさんだけど、アレでキレるとけっこう怖いんだよな…
最悪、俺暫く出入り禁止かもな…
うーん、気まずいことこの上ない。
とは言え、パーティーのための買い出しをパパさん一人に任せるわけには行かず…
腰の調子が思わしくない和を家に残し、俺はパパさんと買い物に出かけることに…。
お互い気まずさもあってか、業務上の会話を交わしただけで、お互い“例”の話には一切触れることなく、帰路につこうとしたその時だった。
「たまには二人でお茶でもしてくか…?」
たまたま通りがかった喫茶店の前で、パパさんが足を止めた。
勿論俺にその誘いを断る理由もなく…
「ああ、いいっすよ…」
俺たちは両手に大荷物を下げて、その喫茶店のドアを潜った。