Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第32章 僕達のバブリーナイト
僕は身体を起こすと、両手と両膝を床に着き、ハイハイの格好で翔くんを追いかけた。
半開きになったドアの間からリビングに入り、翔くんの姿をソファーの上に見つけた僕は、翔くんの足元にゴロンと寝転がった。
あ、お口にはおしゃぶりキャンディーを咥えたままでね。
そしたら翔くんたらね、お膝をトントンと叩いて、僕に向かっておいでおいでーって♪
嬉しくなった僕は、翔くんのお膝に飛び乗ろうと思ったけど…
ちょっと待って…、これじゃ意味なくない?
だって僕は今、アンヨも出来ない赤ちゃんなんだよ?
赤ちゃんがお膝に飛び乗ったら変だよね?
僕は翔くんに飛び付きたい気持ちをグッと堪えて、床にゴロンとしたままで、翔くんに向かって両手を伸ばした。
「バーブバーブ!(抱っこ抱っこ!)」って(笑)
でも翔くんたら酷いの…
すっごーく冷たい目で僕を見下ろしながら、何度も首を捻ってはため息を落とすんだ。
仕方ないよ?
翔くんは赤ちゃん語なんてきっと分からないだろうから、僕が何を言っても通じないって分かってるけどさ…
でもどうしても分かって欲しくて…
「バブバブ(抱っこして)」って、翔くんに両手を伸ばし続けた。
「バブバブ、バーブッ…(抱っこしてくれなきゃ泣いちゃうよ)」って訴えながら。