Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第32章 僕達のバブリーナイト
でもね、翔くんたらおかしいんだ。
一瞬僕のこと見たかと思ったら、すっごい勢いで外へ飛び出したかと思うと、ドアをバーッンと閉めちゃった。
僕まだ「おかえり」も言ってないのに、だよ?
僕はおしゃぶりキャンディーをチュパチュパすると、玄関マットの上にゴロンと仰向けになって、両手両足をバタバタとさせた。
「ふんぎゃ、ふんぎゃ…」って…
当然…
「お、おい…、下の階に響くからっ!」
超常識人の翔くんは慌てちゃって(笑)
お家に飛び込んで来たと思ったら、書類がいっぱい入った鞄を放り投げ、あっという間に僕の両手両足を一纏めに掴んじゃった。
ってゆーかぁ、これじゃ僕、丸焼きにされる豚さんみたいで…、ちょっと恥ずかしいかも…
だからね、
「ば、ばぶ…(離してよぉ…)」
おしゃぶりキャンディをモゴモゴさせながら、一生懸命翔くんに訴えるんだけどね、翔くんは僕が何を言いたいのか、さっぱり分かってない様子で…
「はあ…っ…」
って超ビックサイズのため息をつくと、白〜い目で僕を見下ろした。
んで、掴んでいた僕の手と足をパッと離すと、モコモコスリッパを履いた足で僕を跨いで、カバン片手にリビングに行っちゃった…
そのスリッパ…、僕のお気に入りなのに…
ってゆーかぁ、もしかして僕放置されてる?