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Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】

第32章 僕達のバブリーナイト


時計の針が7時を指す。

時間にはちょー細かい翔くんのことだから、きっともうすぐ帰って来る筈。

「うーんと、ご飯も作ったしぃ〜、お風呂の準備もしたしぃ〜、お洗濯は…翔くんが帰って来てからでいっか♪」

僕はお気に入りのモコモコスリッパをパタパタさせて玄関に向かうと、スリッパをポイポイッと脱ぎ捨て、玄関マットの上に両手両膝を着いた。

やっぱさ、この季節モコモコスリッパは暑苦しいね(笑)

あ〜、それにしても翔くん早く帰って来ないかなぁ…

僕はシーンと静まり返った玄関ドアの向こう側に耳をすました。

1、2、3…、チーン…

微かに聞こえる電子音と、続けて聞こえてくる、ちょっと早歩き気味の足音…

翔くんだ♪

他の人には分かんないかもしれないけど、僕には分かるんだ、それが翔くんの足音だ、って…。

その足音が、少しずつ近くなってくる。

僕は首からぶら下げた、おしゃぶり型のキャンディーを口に咥えた。

ふふ、翔くんどんな顔するだろう?

やっぱりビックリしちゃう?
それとも…?(笑)

カチャン…、と鍵を回す音が聞こえて、ドアが開け放たれて、

「ただいま…」

ってちょっと疲れ気味の声。

ほら、やっぱり翔くんだ♪

だって、僕が世界でいっちばーーーん大好きな人の足音だもん、間違える筈ない。
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